日本の試験制度を大きな視点から見てみる

想像力の話

大きな話から始めたいと思います。
読みながら、想像してみてください。
巨大な宇宙があり、その中に天の川銀河があり、更に太陽系惑星があり、その内の1つが私たちの地球です。
地球の表面には6つの大陸があり、ユーラシア大陸のアジア州にある1つの国として私たちの住む日本があります。
そこから更に都道府県、市町村と絞り込んでいくことで、あなたの居る場所まで辿り着くことができるでしょう。
あまりにも漠然とした話で、高認試験を受けることに何の関係があるか、と疑問に思うかもしれません。
しかし、今、あなたの中で起きた想像力はこれから物事を学んでいく上で、もっと言うと生きていくに当ってとても重要なものなのです。
なぜでしょうか。
それは受験のために必要な各科目にはしっかりとした学問的背景があり、論理体系を持っているからです。
論理体系と言うと堅苦しい感じがしますが、要は、はじめに働かせたのと同じ想像力を使って物事を見ることです。

抽象的思考

論理体系の中では、世の中にある色々な物を区分けして整理します。
整理の仕方には大きく分けて2種類あります。
1つは、基準を設けることで同じグループにある物を更に細かなグループに整理するやり方です。
はじめの話で例えると、地球上の大陸を6つに分けるのがそうですね。
同じグループでも違う基準を作ることで新しい区別をすることができることも大切な点です。
もう1つは、異なったグループを比較して、もう片方を包み込むことが出来る大きなグループを探して整理する方法です。
これも上の話で例えると、日本の中に都道府県はすっぽりと入っているので、日本の方が都道府県よりも大きなグループだと分かりますね。
都道府県というグループの中に日本は含まれているだろうか?と逆のパターンを想像してみるとより分かると思います。
大きなグループの中に小さなグループある。その小さなグループの中にもっと小さなグループがある、と考えていくと終わりがありません。
「抽象」という言葉には色んな定義がありますが、この場合にはより大きなグループのことをより抽象性が高いと捉えると、学問は世の中にある様々な物事に対して、抽象性の階層を通して見ることで、分かりやすく整理してくれるものだと言えます。
抽象的思考の特徴を抑えることはとても大切です。
受験勉強は暗記が中心になります。
しかし、ただ闇雲に覚えるのではなく、学んでいる対象が他の部分とどういった関係性を持っているのか、と抽象的思考を意識することでより効果的に学習を進めることができます。
受験勉強は教科書に書かれた抽象的な論理体系(グループ分け)を記憶することです。

メタ的視点

メタという言葉は英語のメタフィジクス(metaphysics)から来ています。
ギリシャ語由来の言葉が中世ラテン語を経由して哲学用語として英語になりました。
さて、さらっと書かれたこの2行の内容をグループ分けして、抽象性の階層を作ることができるでしょうか。
少し、考えてみてください。
まず言語という大きなグループがある。その中に諸々の言語が入っていて、そこにはギリシャ語、中世ラテン語、英語もある。
3つのグループが重なる部分に共通する要素としてメタフィジクスという言葉がある、といった具合に整理することはできます。
しかし、これではギリシャ語に始まり、それが英語に組み込まれたという流れまでは分かりません。
何かが欠けていることがわかります。
見落としているものがある、と分かるのはなぜでしょうか。
それはあなたが考えていることをあなた自身で高い位置から観察することができたからです。
これをメタ的視点といいます。
メタ的視点を活用することで、与えられたフレームやルールから飛び出して考えることができるようになります。
では足りないものは何なのか具体的に考えてみましょう。
少し視点をずらして、はじめの想像力の話に戻りましょう。
抽象性の階層を辿ることで、宇宙から自分の居場所までたどり着くことが出来ることを確認しました。
しかし、これはには抜け落ちているものがあります。
時間です。
待ち合わせをする時に場所だけではなく、時刻も指定するのと同じように、ここでも時間が必要です。
メタフィジクスの語源を説明を整理する話に戻ります。
さきほどの抽象性の階層に時間軸を加えてあげることで、メタフィジクスという単語がギリシャ語から中世ラテン語を経由して英語に入りこんだことをうまく整理できます。
このように、メタ的視点を持つことはとても重要です。
参考書に書かれている内容を整理し、理解するのに役立つだけに留まらず、問題出題者の意図は何か、高認試験を効率的に合格する方法はあるか、高認試験を受けることで人生にどんなプラスがあるか等とあなたが置かれている状況を俯瞰的に捉えることができるようになることで、改善点を見つけることが簡単になります。
想像力は学習だけではなく、生きていく上でも重要です、と冒頭に書いた理由がここにあります。

高認試験合格に向けた思考の道具

ここまで抽象的思考とメタ的視点について説明してきました。
はじめは関係ないと思われた想像力の話と受験との関連について分かってもらえたと思います。
抽象的思考とメタ的視点。この2つはとても強力な道具です。
本を開いて具体的な名前や単語を覚えるのと違って、今すぐ効果が出るというものではありませんが、知っているかどうかで世界の見え方が全く異なります。
今回は簡単な概要になりましたが、他の重要な力である「論理的思考」「実行能力」と合わせて詳細な記事をまた書く予定です。
これから先の記事でも、この思考の道具を取っかかりとして高認試験と周辺事項について考えていきます。