通貨発行権の独占を巡る戦争という苫米地英人のスタンス

苫米地英人の動画はいくつか観たことがあった。
宮崎哲弥と水道橋博士をメイン司会者とした「博士の異常な鼎談」に出演した回をはじめ、苫米地氏の仏教語りや氏のチャンネルで公開されているNational Security Strategyの解説などの時事ネタ動画など。こうやって並べてみると結構な時間を苫米地氏の動画に費やしている。暇人だからこそ出来る技である。特に仏教と釈迦の悟りについて語った放送は面白いのでおすすめである。

苫米地氏の経歴はコンピュータ・サイエンス、言語学、宗教、軍事、国内国際政治、投機家、啓蒙活動、コーチングなど多岐に渡りすぎていて把握するのも一苦労する。一般に広く認知されたのは1995年にオウム真理教による地下鉄サリン事件が起き、信者の洗脳を解除する役目を苫米地氏が任命された時だろう。それから随分と時間が経ってしまったし、元々表に出てくる役割の人ではないから大衆からの認知度は落ちているに違いがないものの、苫米地氏が持っている経験、知識に裏打ちされた知性は注目するに値する。
現在でも氏がPh.Dを修了したCarnegie Mellon UniversityのCyLabでadjunct fellow(非常勤講師的なもの?)を努めている。
今年起きた、コインチェックの580億円分のNEMが盗まれた件についても自身のブログとチャンネルで専門的かつ具体的な話をしている。

氏の本をいくつか読んでみることにした。とりあえずピックアップしたのは次の4冊。

  • 洗脳原論 (2000年)
  • 残り97%の脳の使い方 (2008年)
  • 明治維新という名の洗脳 150年の呪縛はどう始まったのか? (2015年)
  • 日本人だけが知らない戦争論 (2015年)

「洗脳原論」は一般向けに書かれた処女作である。
一冊目だけあって気合いが入っている。より正確に言うと、一般人に対して事実を丹念に積み上げながら説明しよう、という科学者らしい真面目な態度が伺える作りになっている。巻末にはきちんと参考文献リストもある。
「残り97%の脳の使い方」まで下ると大衆啓蒙への見切りがはっきりと表れていて、積み上げ型のしっかりとしたロジカル・シークエンスな説明から、端的に説明事項を解説していくスタイルに切り替わっている。ついでにフォントサイズも随分大きくなっている。本人が書いているのかすらも怪しい(そうであったとしても何も問題はない)。
これは苫米地英人だけではなくて、追随する他の理系インテリ(茂木健一郎、Daigo、落合陽一など)の大衆への発信傾向と同じである。誰もが一発目は大衆に期待をして一冊目は大真面目に書く、その後の読者からの反応を見て、大衆の知性レベルを理解して、商業ベースな文章にスウィッチするようだ。
「日本人だけが知らない戦争論」もとても面白く読めた。古今東西のあらゆる戦争が通貨発行権の独占を狙うヨーロッパの大銀行家により綿密に計画されたものである、というのが骨子。陰謀論めいているけれども、論証不可能性込みで楽しい。
「明治維新という名の洗脳」は、戦争論から明治維新のみを取り出して論じたものだ。

ひきこもりビジネスを苫米地英人からインスパイアされた

以上を読み終えて、やっぱり世の中、金で廻っているんだなあ、と弱小市民ながらに痛感した俺は、気づいたら自分でもできそうなビジネスを妄想していた。
自分自身の経験を踏まえて、国際的にひきこもりを対象にしたスウィッチングビジネスをやってみたいと思うようになった。
アイディアは簡単で日本国内のひきこもりと海外のひきこもりを移動させて、お互いの家にパスポートで滞在可能な期間内を過ごしてもらう、というもの。
俺がそうであったように、世界に外側がある、という事実を経験として知っているかどうかは人生を大きく左右する。それは特に社会に適応性を持たないひきこもりにとっては重大なライフイベントになるに違いない。
日本語で自由に活動可能な日本コミュニティに馴染むことができなかった人間が、他言語で他者とコミュニケーションを取る必要のある他国のコミュニティに馴染めるかどうかについては大きな疑問符がある。早い時期の年齢であれば更生の余地は大きいだろう(その場合は国内であっても可能であるだろうし)。
これは是非やってみたい。
他にも何か取り掛かれそうなものを存分に妄想しようと思う。