日本を出るまで時間があるからいくつか塾に応募してみた。経歴は偽らずに履歴書を提出した。
たかがバイトではあるけれど、時給二千円以上なので面接の時に相手が圧迫的だったり、嘲笑されることもあった。
結果、1つから採用された。
3ヶ月経って、感覚が掴めてきた。
個別指導は生徒との相性が大きくて、これが合えばお互いにとても楽しみながら学習を進めることができる。
とてもゆるい雰囲気の中やっているせいもあって、担当している教科とは無関係の内容を1コマずっと話したり、音楽を流しながら説明することもあった。音楽は流石に上の人から注意されたので控えるようにしている。
経営者は院、他の講師も国立大学卒なんだけど、話してみると全く切れ味がないし、国際情勢に至っては俺の方が詳しいことがあって驚く。留学していたから当然だけど、語学力も俺の方が高い。
他の英語指導の講師への発音指導も依頼された。これは時給五千円だった。
正直、楽勝な内容だ。
一方で、至らなさも実感している。
当たり前のことだけど、まともに学生生活を送ってきていないから中高生に対して学校について気楽に雑談をして仲を深めることが出来ない。
生徒は俺が海外に住んでいたり、留学していたことは知っているけれどまさか中卒だなんて夢にも思っていない。
一人の保護者からは、うちの子は先生に憧れている、とまで言われた。
学歴は社会的ラベリングとして重要であることに違いはないので、それを持っていない俺は客観的に見たら負け犬である。
学歴を直接訊ねられる場面というのは想像し難いけど、なんだか騙しながらやっているようで悪い気になることがないでもない。
教える内容はきっちりとやっているけれどね。
とりあえず、授業自体もその周辺事象も楽しめているのでしばらく続けていこうと思う。

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